複数の種類の質問を組み合わせる
■先々週から
「話し方を変える」の「質問」の
具体的な話をしています。
前々号から
3「直接質問」4「間接質問」
についてお伝えしています。
前号では、
質問は1つの種類ではなく
複数の質問を組み合わせることで
効果を発揮する
ということをお伝えしました。
■今日は、
ある状況を想定して
1「オープン質問(一般質問)」と
2「クローズド質問(限定質問)」
3「直接質問」と4「間接質問」
を組み合わせて会話を
考えみたいと思います。
■状況は、
ほぼ初対面の男女の若手社員が
会話をするところです。
男性社員は、
テニスのことを何がなんでも
話したいとします。
(そんなことは実際の場では
ないかもしれませんが、
ここではその設定でいかせてください)
■1つ目のパターンは、
女性社員も結果的に
テニスに興味があったというパターンです。
男性社員:
「今日、残業しないで帰れますか?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&4「間接質問」)
女性社員:
「帰れますよ」
男性社員:
「家に帰ったらテレビ見たりするの?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&4「間接質問」)
女性社員:
「早く帰れる日は、ほぼ毎日みるかな」
男性社員:
「今、サッカーのワールドカップと
テニスのウィンブルドンやっているけど
どちらかみたりする?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&3「直接質問」)
女性社員:
「サッカーは詳しくないし見ないけど、
テニスは昔少しやっていたから
ウィンブルドンを見るかな」
男性社員:
「そうなんだ。自分はずっとテニス
してるんだよね。」
「テニス選手で誰が好き?」
(1「オープン質問(一般質問)」
&3「直接質問」)
■2つ目のパターンは、
女性社員が結果的にテニスに
あまり興味がなかったというパターンです。
男性社員:
「今日、残業しないで帰れますか?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&4「間接質問」)
女性社員:
「帰れますよ」
男性社員:
「家に帰ったらテレビ見たりするの?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&4「間接質問」)
女性社員:
「早く帰れる日は、ほぼ毎日みるかな」
男性社員:
「今、サッカーのワールドカップと
テニスのウィンブルドンやっているけど
どちらかみたりする?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&4「間接質問」)
女性社員:
「サッカー好きだから、
ワールドカップを見るかな」
男性社員:
「そうなんだ。俺はテニスをしていたから
ウィンブルドンを見ようかと思って」
「〇〇さんは、テニスしたことある?」
(2「クローズド質問(限定質問)」
&3「直接質問」)
女性社員:
「ないけれど、どうかしたの?」
男性社員:
「今度会社の同期でテニスしようかと
思ってるんだ。
○○さんも良かったらこない?」
■もうお分かりかと
思いますが、
パターン2は、
女性社員が「ワールドカップ」と
答えているのに
それを無視してしまっているので
会話としてはあまりよくありません。
話す書く考える工房の傾聴で
ポイントとしてお伝えている
「人が話したことは突っ込みを
入れて欲しいこと」
ということを無視しています。
本来は、ワールドカップについて
突っ込んでいくべきところです。
今回は、テニスの話を何が何でも
したいと設定にしたので
強引に話を持っていきました。
■今回の例のように
質問を組み合わせることができるように
なれば
ある程度会話を「自分が意図する方向」
にコントロールできるようになります。
しかし、
相手がいる以上、
完全にはコントロールできないのが
会話です。
また、今回とは違って会話の目的は
会話をコントロールすることでは
ありません。
(仕事などでは、コントロールすることが
目的なこともありますが・・・)
そして、
どういう展開になるのかが
わからないのが
会話の面白さでもあり
楽しさでもあります。
■なので、
今お伝えしているお話も
コントロールするというのが主ではなく、
会話をしている二人が
「楽しむこと」が主題です。
あくまで、私の経験上では
ありますが、
両方とも会話がコントロール
できない者同士が話すと
結果的にですが、
会話が楽しくなくなることが
多くあります。
■だからこそ、
それを防ぐためにも
ある程度は、会話をコントロールできる
質問力を身に着けていただく
ということが、
もともとコントロールが
まったくできなくて
会話で、楽しむことも楽しませることも
できていなかった私からの思いです。
行先を決めないドライブを楽しむと
しても
車を誰も運転できない
(コントロールできない)のであれば、
楽しむことはできないですよね。
明日以降も質問について続けます。
今日も読んでいただきありがとうございます!
この記事のポイント
■質問というのは、1つだけで
成り立たせることは難しい。
■質問は、複数の質問の組み合わせ効果を
発揮する。
■複数の種類の質問を組み合わせることで
ある程度会話をコントロールできるようになる。
■相手がいる以上、
完全にはコントロールできないのが
会話であり、どう話がつながるか
わからないからこそ会話の楽しさがある。