キャリブレーションは相手の非言語メッセージを観察する

キャリブレーションとは

NLPでは、相手の非言語メッセージを観察することをキャリブレーションといいます。NLPやコーチングでは相手とのラポール(信頼感)を築くことをとても大切にします。
ラポールを築く際に、相手との共通点を見つけたり、ミラーリングやペーシングを使っていきますが、その基本となるのは相手をよく観察するということです。

キャリブレーションはもともとは調整するといった意味で、印刷会社などで、色の微妙な調整を行うときなどに使われる言葉だったのですが、コーチングやNLPではラポールを築く上での基本スキルとして使われています。

キャリブレーションでは、相手の心の状態を観察して読み取るため、相手の言語や非言語の使い方に表われる無意識の領域を探るということもします。

ラポールの関係を築くためには、意識的に言葉に出されたにことだけではなく、相手の無意識に働きかけるといった「深層アプローチ」も必要になるからです。

キャリブレーションで観察するものは

相手の姿勢

相手の姿勢を観察することは、相手の全体的な雰囲気を読み取るに役たちます。緊張しているのか、リラックスしているのかなど観察して読み取ります。
姿勢の観察は大きく分けると、相手が立っているときと座っているときの2つに分けることができます。立っているときも座っているときも上半身の動きは似たものになる方が多いですが、足の動きなどは座ったときに特徴が表れる方が多いのでよく観察してみるようにしましょう。

表情

人の感情が現れることが多い表情を観察すること多くのことを読み取ることができます。
緊張している表情、リラックスしている表情、怒っている表情、嬉しいことがあったときの表情など、クライアント様の様々なパターンの感情を読み取れるようになりたいですね。

まばたき

顔の動きの中でも比較的その人の精神状態が現れるのがまばたきになります。
緊張したときにまばたきが多くなるなどある程度誰にでも当てはまるようなことから、その人特有のまばたきの癖などもあります。

目の動き

相手の目線がどこを向いているのか、相手の目の瞳孔が開いているのか閉じているのかなどを観察します。

声の調子

声の調子からも相手の心理状態などを読み取ることができます。
高い声で話しているのか低い声で話しているのか。早いスピードで話しているのか遅いスピードで話しているのか。また、声が震えていたり極端に張っていたりしないかなど観察するポイントは複数あります。

しぐさ

人がしているしぐさは特に意識をしていない状態(=無意識)でやっていることが多いです。キャリブレーションは「相手の言語や非言語の使い方に表われる無意識の領域を探る」ということも目的としているので、無意識で行われる”しぐさ”も観察対象となりますし、クライアントの深層心理を知る重要な手掛かりとなります。

キャリブレーションをするときはその人が持つ独特の間まで観察することが必要です。観察するといってもここまで出てきた項目と違って”間”は目で見たり、耳で聴いたりはできないので、感じるということが必要になります。この”間”でくると文字通り言語化できない(=非言語)領域に入ってきますので、自分自身の5感を研ぎ澄まして相手のことを感じ取ることが必要となってきます。

キャリブレーションのポイント

相手のVAKを確認する

他の記事でも説明していますが、人はそれぞれ優位感覚を持っています。コーチングやNLPでは主に視覚優位、聴覚優位、身体感覚優位の3つになります。
キャリブレーションはこの優位感覚を知るためにもするわけですが、観察している相手がどの優位感覚を持っているかを知った上で観察することでより相手を知ることにもつながります。※ただし、「相手がこの優位感覚だ」と決めつけてしまうと冷静な分析ができなくなることもあるので注意が必要です。

相手をよく観察する

当たり前のことを言うようですが、キャリブレーションするためには相手をよく観察する必要があります。
例えば一度ある姿勢をしていたり表情の変化などを見ただけではその人がどういう心理状態なのかを読み解くことはできません。なので、相手のことを何度もよく観察してより深く相手のことを知るということが大切なこととなります。

さりげなく相手を観察する

相手を観察することに集中してしまいすぎて、相手に観察していることを気づかれてしまうとその後の観察がやりづらくなります。さりげなく相手を観察できるようになりましょう。

キャリブレーションの効果

コミュニケーション能力があがる

コミュニケーション能力を上げるためには、自分の話す力やスキルを伸ばすことも重要ですが、相手のことをよく知ることが重要です。
そして、相手のことを知るためには質問などで相手に話をしてもらうこともできますが、まずはこの記事で説明している相手をよくキャリブレーションするということです。
キャリブレーション能力は人を観察する機会が多くなればなるほど上達していきます。相手のことを観察する能力があがれば、それに合わせた話し方をしたりスキルを使ったりすることもできるので、コミュニケーション能力がスパイラル的にあがっていきます。

信頼を得られる

キャリブレーションをする目的は、ラポールを築くことにあります。ラポールを築くスキルとしてミラーリング、ペーシング、トラックバックなどがありますが、これらのスキルは相手のことをきちんと観察することができている前提に成り立っています。キャリブレーションがきちんとできるようになると。ミラーリング、ペーシング、トラックバックをする能力もあがっていくので、クライアントとのラポールを築くことができ信頼を得ることにつながります。

成果を出せるようになる

コーチングやNLPでキャリブレーションをする目的は主に相手のラポールを築くためですが、キャリブレーションを繰り返す中で身に着けた「観察力」は当然ながら仕事や日常の生活の中でも使えます。世の中が段々複雑化していると言われている現代社会では、ものごとを正確にとらえるための観察力が益々重要な要素となってきます。そして仕事にしても生活に関わることでも結局は「人」が何かしら関わりを持って生み出されるものですから、当然人に対する観察力が高い人のほうが成果も生み出せる可能性が高くなります。相手とのラポールを築くだけでなく、仕事などの成果にもつなげることができるキャリブレーション能力を是非一緒に磨いていきましょう。

話す書く考える工房

コーチングとNLPを中心に少しでも皆さまに役立つ情報をお伝えしていこうと思います。がんばって更新していきいますのでよろしくお願いいたします!

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