回り道が近道なことがある。それが人生だ|遠回りこそ人生の本質?

1. 「回り道が近道なことがある。それが人生だ」ってどういう意味?

回り道が近道なことがある。それが人生だ」という言葉には、シンプルだけど奥深い人生観が詰まっています。

多くの人は、できるだけ早くゴールにたどり着きたい、ムダを省いて一直線に進みたい、そう思って行動しますよね。特に現代は、効率化や最適化がもてはやされる時代。「無駄なく成功したい」「早く出世したい」「努力は最小限で成果は最大にしたい」といった考え方がスタンダードになりつつあります。

でもね、人生ってそんなに都合よくいかないものなんです。

実は、一見「遠回り」に見える経験や選択が、最終的に“近道”になることが多い。それがこの格言の本質です。


1-1. 遠回りのようで実は王道なルート

たとえばこんなケースを想像してみてください。
ある人が就職活動で、あまり有名じゃない中小企業に入った。でもその会社では、上司が丁寧に仕事を教えてくれて、さまざまな部署の仕事にも挑戦させてもらえた。結果として、数年後には大手企業で必要とされるマルチなスキルが身につき、転職も成功。

一方で、最初から有名企業に就職した人は、部署が細分化されていて、ひとつの業務しか担当できなかった。その会社にいる間はよかったけれど、転職しようとしたときに「応用力がない」と言われてしまう——なんてことも。

これ、まさに「回り道が近道」だった典型です。
最初は“寄り道”に見えたとしても、得られたスキルや人との出会いが、後の人生を大きく左右することってよくあるんですよ。


1-2. すぐに成果を求めすぎると、逆に遠回りになることも

現代社会は、短期的な成果を重視しがちです。「3か月で結果を出す」とか「半年以内に昇進」とか、目先の成果がもてはやされる風潮があります。

でも、無理してスピードを上げようとするあまり、自分に合ってない道を選んでしまうと、結果的に途中で立ち止まったり、戻ったりしなきゃいけなくなる。たとえるなら、高速道路を猛スピードで走ってたら、降りるべきインターを通り過ぎてしまって、結局Uターンして戻ることになるようなものです。

一方、ゆっくりでも景色を見ながら、自分の足で進んでいれば、「あ、ここにこんな道がある」「この道、思ったより近いじゃん」って気づけることがある。そうやって進んだ道は、着実で、心の余裕もある。これが「近道」になる理由のひとつなんですね。


1-3. 「回り道=損」という思い込みを捨てよう

多くの人が「遠回り=損」「遅れる=負け」って思いがち。でもそれは、短期的な視点だけで見てるから。人生はマラソンみたいなもので、スタートダッシュが速かったからといって、ゴールに一番乗りできるとは限らない。

むしろ、途中で歩いたり、休憩したり、コースを変えたりしても、自分のペースを保って進んでいる人の方が、結果として充実した人生を送っていることが多いです。


1-4. 人生は一本道じゃない。分かれ道が味になる

さらに言うと、人生って一本の道じゃないんです。分かれ道があって、道草もできて、寄り道もできる。それこそが“生きる”ということ。

仮に最短ルートを通ってゴールしたとしても、何も見ずにただ進んだだけでは、景色も思い出も残らない。だから、遠回りこそがその人の「ストーリー」になるんです。


つまり、「回り道が近道なことがある。それが人生だ」というのは——
表面的なスピードや効率に惑わされず、自分なりの歩幅で進むことの大切さを教えてくれる言葉なんです。急がば回れ、という言い回しもあるように、“最も早い”は“最も賢い”とは限らない
大切なのは、「どんな道をどう歩いたか」。それが、あなたの人生そのものになります。

2. 学歴やキャリアに縛られすぎた結果

「いい学校を出て、いい会社に入って、まっすぐ昇進していく」——世の中ではよくそんな“理想のキャリア像”が語られます。でも実際、そうやって一本道を歩いてきた人の中に、「本当にこの道でよかったのかな」と迷いを抱えてる人は少なくありません。

たしかに、学歴やキャリアは社会で生きていく上で重要な“通行手形”になることもあります。新卒カード、偏差値、上場企業への入社といったキラキラワードは、一定の安心感や信用をもたらします。でも、それに縛られすぎると、かえって自分らしさや本当の可能性を見失ってしまうんです。


2-1. ストレートな人生は“正解”じゃないかも

たとえば、難関大学に現役合格して、有名企業に就職して、順調に出世してる人って、一見“勝ち組”に見えますよね。でも、本人がやりがいや幸福感を感じてなかったら、それは本当に“成功”なんでしょうか?

実は、「レールに乗ってしまったから、もう降りられない」という人も多いんです。自分の気持ちは別のところにあるのに、周囲の目や期待に応えるためだけに走り続けている……。これは、表面上は一直線に見えるけれど、心の中では迷子になっている状態かもしれません。

一方で、遠回りした人、いろんな経験を積んだ人は、「これは違う」と気づいたときに柔軟に軌道修正できるし、失敗もネタにできる。自分で選んで動いてきた実感があるから、人生に対する納得感が強いんです。


2-2. 遠回りして得られる“寄り道の副産物”

たとえば、大学を中退してフリーターをしながら音楽活動をしていた人が、偶然アルバイト先で出会った社長にスカウトされてベンチャー企業の立ち上げに参加——なんて話は、けっして珍しくありません。

この場合、もしその人が「学歴がないとダメだ」「就職浪人は恥ずかしい」と思って、音楽を諦めてすぐ就職していたら、そのチャンスには出会えなかったでしょう。

遠回りの中には、“予測不能な出会いや学び”が山ほどあるんです。
アルバイト経験で培った接客力、大学に行かなかったからこそ早く社会を知った経験、失敗から得た失望と回復力——そういった副産物は、ただ一直線に進んできた人には持ち得ない武器になります。

特にキャリアの多様性が求められる今の時代、「一点突破型」よりも「横断力のある人材」が求められます。だからこそ、キャリアにおける“回り道”は、むしろ価値ある戦略になりうるんです。


2-3. 「レールの上」にいることの落とし穴

さらに言えば、「学歴とキャリアを積み上げてきた=将来安泰」とは限らない時代です。大手企業が終身雇用を保証できなくなり、誰もが転職・副業・起業など“第二の選択”を迫られるようになっています。

そんなとき、レールしか知らなかった人は、選択肢が少ない。「これしかやってこなかったのに、今さらどうすればいいんだ」と戸惑うケースが多い。一方で、いろんな道を歩んできた人は、「じゃあ、次はこうしてみよう」と柔軟に動ける。失敗も経験に変えて、自分なりに進む力を持っている。

つまり、「学歴」や「キャリア」にとらわれて一直線で突き進むよりも、ときには道を外れてみること、止まってみることの方が、将来的には強みになるということです。


3. 失敗と挫折こそ“回り道”の核心

「回り道が近道なことがある。それが人生だ」という言葉が本当に心に響くのは、多くの人が一度は“失敗”や“挫折”を経験しているからでしょう。
そして、それこそが回り道の核心。
むしろ、「遠回り」と「失敗」はセットでやってくるものです。

でも安心してください。失敗や挫折こそが、あなたを一番成長させる栄養になります。


3-1. うまくいかない経験は、必ず役に立つ

人は、成功からよりも、失敗から多くを学びます。たとえば、面接に落ちた経験がある人は、「自分の強みって何だろう」「どこが伝わってなかったんだろう」と自然と自己分析をするようになります。

逆に、最初からトントン拍子に進んできた人ほど、「うまくいかなくなったとき」に脆いもの。何が原因かがわからず、対処法もわからない。メンタルも不安定になりやすいです。

たとえば、学生時代に部活でレギュラーになれなかった。営業職で何カ月も契約が取れなかった。SNSで炎上した——どれも当事者にとっては苦い思い出かもしれませんが、そこからどう立ち上がったかが、人生の分かれ道になるんです。

「うまくいかない」経験は、必ず「うまくいかせる力」を育てます。


3-2. 逆境でこそ身につくスキルがある

たとえば、「失敗して上司に怒られた」経験がある人は、その後、報連相(報告・連絡・相談)が自然と早くなる。
「うまくいかない現場で、周囲に迷惑をかけた」経験がある人は、周囲の空気を読む力や、サポートを求める勇気を学ぶ。
これは、マニュアルや研修じゃ身につかない、実践型スキルです。

実際、採用面接などでも「失敗から何を学びましたか?」という質問は定番です。つまり、企業側も「成功体験」だけではなく、「失敗の乗り越え方」にその人の本質が表れるとわかっているんです。

しかも、逆境で得たスキルって、汎用性が高い。どんな職種や環境でも活かせる“人間力”につながります。柔軟性、粘り強さ、感情のコントロール、チームとの協調性——これらは、まさに回り道からしか得られない“強さ”です。


3-3. 失敗は「やらなかった後悔」より価値がある

やって失敗することよりも、やらなかったことの方が、後になって後悔として残りやすいってよく言われます。
たとえば、「転職してみたかったけど、不安で踏み出せなかった」とか「起業に興味はあったけど、安定を捨てられなかった」とか。

これって、“成功の可能性”を自分で消してしまった状態。
チャレンジした結果失敗していれば、何がダメだったのか分析できます。でも、やらなかったことには、学びすらない。

だからこそ、失敗には価値があるんです。

回り道をするということは、言い換えれば「不確かな道をあえて選ぶ」ということでもあります。不確かだからこそ、失敗もある。でもそれは、動いた証拠であり、生きてる実感でもある。


3-4. 挫折が教えてくれる“自分の限界と再定義”

挫折って、「あ、自分ってこの程度なんだ…」と気づかされる瞬間でもありますよね。
それはとてもつらい。でも同時に、「じゃあ、どうやってこの限界を超えるか?」という再出発のスタート地点でもあるんです。

多くの人が、ここで自分の“再定義”を始めます。
たとえば、「営業が向いてない」と思った人が、実は裏方の企画やサポート業務で才能を開花させたり、「人と話すのが苦手」と悩んでいた人が、文章で人の心を動かせることに気づいたり。

挫折があったからこそ、自分の向き・不向きがはっきりし、自分だけの「戦い方」が見えてくるんです。


つまり、失敗や挫折は、人生の“ムダな一時停止”ではなく、“本当の自分に出会うための一時停止”
回り道で出会う苦い経験のひとつひとつが、あなたという人間を磨いていく研磨剤になるんです。


4. 「回り道」の成功例|仕事編

ここまで、「回り道が近道なことがある。それが人生だ」という格言をもとに、人生やキャリアの視点で解説してきましたが、やっぱり一番説得力があるのは実際に回り道をして成功した人のリアルな話ですよね。

このセクションでは、回り道をしたからこそ見えた景色や、たどり着けた成功について、仕事の現場でよくあるケースを交えて掘り下げていきます。


4-1. 異業種からの転職が思わぬ武器になる

最近では「キャリアチェンジ」や「異業種転職」が当たり前の時代になってきました。
たとえば、こんな人がいます。

大学卒業後、出版社に就職。数年間は編集の仕事をしていたけれど、「紙離れ」の波や働き方の違和感から退職。次に選んだのは、全く畑違いのIT企業のカスタマーサポート職。でもこの人、前職で鍛えた「人の話を深く聞いて、わかりやすくまとめる」力がものすごく活きて、すぐにチームの中心メンバーに。さらにUI設計にも関わるようになり、いまではプロダクト開発にも名を連ねる存在に。

この人、最初からIT業界にいたら、ここまで幅広く活躍できていなかったかもしれません。回り道で得た“他分野の視点”が、唯一無二の武器になった例です。

異業種の経験は、職場に「新しい風」を吹き込む存在として歓迎されることが多いんです。特に変化の激しい今の時代、「柔軟に動ける人」が一番重宝される。これ、まさに遠回りの恩恵ですよね。


4-2. 一度退職して見えた“やりたいこと”

「会社を辞める=リスク」と思ってしまう人は多いけれど、実際には**“立ち止まって考える時間”がその後の人生にとって大きな価値になる**ことがあります。

たとえば、30歳で一度会社を辞めて、海外を旅しながらフリーランスで働いていたAさん。最初は不安でいっぱいだったけど、旅先でいろんな人と出会ううちに、「日本の働き方って、こうじゃなくてもいいんだ」と気づいたそうです。

帰国後は、旅で得た視野や英語力を活かして、外資系企業でグローバルマーケティングを担当。結果的に、一度立ち止まって“自分の人生”を考えたからこそ、自分にフィットするキャリアにたどり着けたわけです。

退職やブランクって、履歴書上はマイナスに見えるかもしれない。でもそれは「どんな時間を過ごしていたか」が問われるだけで、「辞めたこと自体」が悪いわけじゃない。むしろ、勇気をもって遠回りした人の方が、納得感のある選択をしているケースが多いです。


4-3. 副業・兼業で広がる“寄り道”の価値

最近では、「本業だけじゃなく副業もしてる」という人が珍しくなくなってきました。
中には、副業から本業にシフトしたり、逆に副業で得たスキルが本業に好影響をもたらしたという人も。

たとえば、会社では経理をしていたBさん。副業でWebライティングに挑戦し、最初は趣味レベルだったのが、数年後にはフリーランスとして独立。数字に強い彼女は、他のライターとは違う「論理的でわかりやすい文章」で評判を呼び、専門分野の連載を持つまでに。

このケースも、「自分の知らなかった才能」と出会えたのは、間違いなく“寄り道”をしたからです。

副業やスキルアップ講座、ボランティア活動など、本業の枠を超えた行動には、「何が起こるかわからない」けど「思わぬ可能性と出会える」おもしろさがある。そんな“好奇心の遠回り”が、人生を豊かにしてくれるんですね。


4-4. まとめ:成功者は意外と“寄り道経験者”が多い

世の中で「すごいな」と思う人ほど、実は“王道”ではない人生を歩いていたりします。
芸能人や起業家、研究者、スポーツ選手に至るまで、「失敗」「転職」「挫折」「ブランク」といった“回り道のエピソード”を語っていることがとても多いんです。

でも彼らは、それを「恥」とは思っていません。むしろ、回り道で得た経験があったからこそ、今の自分があると胸を張って語っている。

あなたの回り道も、きっといつか誰かの希望になる。
そう思って、一歩を踏み出してみるのも悪くないですよ。


5. 人間関係だって直球より遠回りがいい

仕事や人生だけじゃなく、人間関係だって“回り道”があるからこそ、深くなることがあるんですよね。むしろ、最初から気が合う人ばかりじゃないからこそ、お互いを理解し合う喜びがあるとも言えます。

最近は、SNSやマッチングアプリ、オンライン飲み会など、短時間で「仲良くなる方法」が溢れてますよね。でも、本当に信頼できる関係って、じっくり時間をかけて育てたものじゃないと築けないと思いませんか?


5-1. 気が合わない人とでも、いつか共鳴する瞬間がくる

「第一印象最悪だったのに、今では一番の親友」って経験、あなたにもありませんか?
人間関係って、“一瞬の好印象”より“積み重ねた理解”の方がずっと強いんです。

たとえば、職場の先輩がやたら厳しくて、最初は「この人苦手…」と思っていた。でも、ある日ふとした会話で、自分のことを陰ながらフォローしてくれていたと知ったとき、その印象がガラッと変わる。
そうして距離が近づいていくのって、ある意味“時間の魔法”なんですよね。

これは、回り道しながら少しずつ距離を詰めていったからこそ得られる関係です。最初から「気が合う・合わない」でジャッジしていたら、出会えなかった“本物のつながり”。


5-2. 時間がかかって築かれた信頼は強い

人と人との信頼って、「信用」とは違っていて、“積み重ね”なんですよね。
信用は、肩書きや立場で得られるけど、信頼はその人の行動や言葉の積み重ねでしか得られない。

たとえば、数年かけてプロジェクトを一緒に走った同僚。最初は意見も合わなかったし、ケンカもしたけど、最後にはお互いの背中を無言で支え合うような関係になった——
そんな経験をしたことがある人ならわかるはず。
「時間をかけて関係を築くこと」は、単なる遠回りじゃなくて、“信頼を深める唯一の道”なんです。

しかも、この信頼って一度築けたら簡単には崩れない。環境が変わっても連絡を取り続けたり、困ったときに助け合ったり、人生の転機で「この人にだけは相談したい」と思えたり。
これは、**時間と経験を共有した人だけが持てる“絆”**です。


5-3. 「関係性の成長」には“間”が必要

すぐに仲良くなろうとしすぎると、逆に気まずくなったり、無理が出てくることがありますよね。
距離感って、急に縮めようとするとどこかで「違和感」や「ズレ」が生まれてしまう。

むしろ、一度立ち止まって相手を観察したり、自分の気持ちを整理したりする“間”があってこそ、ちょうどいい距離感がわかってくるんです。

友達関係でも恋愛でも、相手のことを“急いで知ろうとする”より、“じっくり理解しようとする”姿勢の方が相手の心に届きやすいもの。これはビジネスでもまったく同じです。


5-4. 遠回りの人間関係が人生の支えになる

一度縁が切れたように見えた人と、思いがけない再会をして、それが人生の転機になる——そんなエピソード、意外と多いんですよね。

昔の同級生、前の職場の上司、すれ違っていたパートナー……
“距離を置いていた時期”があったからこそ、再会したときに感じるありがたみが深い。そしてそこから生まれるつながりは、“一周まわって戻ってきた信頼”とも言えるでしょう。

そう考えると、人間関係における“回り道”って、無駄どころか人生を支える基礎工事のようなものなんです。


5-5. 人間関係こそ“効率”ではなく“深さ”が大事

仕事では効率が求められるかもしれません。でも、人間関係において「効率」を追い求めすぎると、信頼関係が希薄になります。

「この人と早く仲良くなりたい」「すぐに信頼されたい」という気持ちはわかります。でも、信頼って“結果”であって“操作できるもの”じゃないんですよね。

時間をかけてゆっくり築いてきた関係だからこそ、困難なときに支え合える。
そして、「あのとき遠回りしてよかった」と思えるのは、そうやって深くつながった相手がいるからこそなんです。


人間関係の回り道こそ、人生を豊かにする“秘密のレシピ”
焦らず、比べず、相手と自分のペースで、じっくり育てていきましょう。


6. 遠回りの中でしか出会えない“自分”

「回り道が近道なことがある。それが人生だ」という格言の真の意味を、深く実感できる瞬間があります。
それは、“本当の自分”に出会えたときです。

最短ルートを歩いているときって、意外と“自分”に意識が向いていないんですよね。目の前のゴール、周囲の評価、世間的な正解にとらわれがちで、立ち止まって「自分は何が好き?何がしたい?」と問いかける余裕がない。

でも、遠回りをしているときって、道に迷うことが多い。うまくいかないこともあるし、不安にもなる。その時間こそが、自分の本音とじっくり向き合える**最高の“内省タイム”**なんです。


6-1. 迷ったからこそ、自分の軸が見えてくる

何かにつまずいたとき、「自分は本当は何がしたいんだろう?」「なぜこの道を選んだんだろう?」って、ふと立ち止まる瞬間がありますよね。

それって、まさに「自分の軸」を探す作業なんです。

たとえば、ずっと営業職として働いてきた人が、毎日数字に追われるうちに、「本当に売ることが好きなのか?」と疑問を持ったとします。そこから、社内異動で商品企画にチャレンジしてみたら、「自分は“売る”より“作る”方が向いてた」と気づいた——これって、営業一筋で成功してたら、気づけなかった“本来の自分”との出会いですよね。

人生の迷子になることは、実は「本当の自分」に近づくための入口。
迷わないと見えない景色があるんです。


6-2. 目標に向かう「姿勢」が洗練される

目標に向かって一直線に進むのは気持ちいい。でも、一度でも挫折したり、方向転換を経験した人は、「どう進むか」という“姿勢”が洗練されていきます。

たとえば、最初に目指していた夢がダメだったとしても、それを経て別の目標に出会ったとき、「ただ突っ走るだけではだめだ」「自分の心の声を聞きながら進もう」といった大人の進み方ができるようになる。

それって、成功のプロセスそのものが“自分らしい”ものになっていくということ。
回り道をしなかったら、他人の価値観のままゴールしてしまって、「なんでこんな人生になったんだろう」と後悔するかもしれません。

つまり、遠回りの過程で、自分らしい歩き方=人生のスタンスが磨かれていくというわけです。


6-3. 遠回りは「自分を深く掘る作業」

人生の遠回りって、いわば“自分を掘る旅”なんですよね。

  • うまくいかなかった出来事

  • 人間関係のもつれ

  • 思い描いた未来とのズレ

そんな「うまくいかなかった体験」には、自分の価値観・欲求・弱さが詰まっています。それに気づけるからこそ、自分の輪郭がはっきりしてくる。

本当は「競争が嫌い」「目立ちたくない」「人の役に立ちたい」「自然の中で暮らしたい」……そういう本音って、日々の喧騒や忙しさの中じゃ気づけない。
でも、立ち止まって遠回りしていると、少しずつ浮かび上がってくるんです。

そして、それを認めてあげられたとき、人生はぐっと生きやすくなる。
自分にウソをつかずに生きる土台ができるからです。


6-4. 「ブレる」経験が、自分の軸を太くする

よく「自分の軸を持て」と言われますが、最初からブレない軸なんて持ってる人、いません。
むしろ、いろいろな方向にブレて、寄り道して、そのたびに「これは違った」と学んでいくうちに、徐々に“ぶれ幅”が小さくなっていく。それが「軸が太くなる」ということなんです。

たとえば、転職を3回してようやく天職に出会った人が、「今思えば全部意味があった」と語るように。ブレたからこそ、「自分にとっての正解」がわかるようになる。

だから、回り道で揺れ動いた経験こそが、あなたを“ブレない人”に育てていくのです。


「遠回りしてきた人生だったな」と感じている人にこそ、伝えたい。
それは、ただの道草なんかじゃなくて、あなたという人間を見つけるための旅だったんです。


7. 「それが人生だ」と受け入れる余裕を持とう

「回り道が近道なことがある。それが人生だ」という格言の中でも、**“それが人生だ”**という後半の一言は、とても大切な意味を持っています。

回り道してしまった。
失敗ばかりしている。
自分だけが遅れている気がする。

そんなふうに思う瞬間って、誰にでもあります。でもそのたびに、「もっと効率よくやればよかった」「あのとき別の選択をしていれば」なんて後悔していても、現実は変わりません。

そこで大事になるのが、“それが人生だ”と笑って受け入れる余裕なんです。


7-1. 計画通りにいかないことを楽しめる人が強い

世の中は予想外の連続です。どんなに綿密に計画を立てても、思い通りにいかないのが人生の常。むしろ、「思い通りにいかないこと」が起きたときの対応こそが、その人の“人生力”を試される瞬間なのかもしれません。

たとえば、大雨で旅行の予定が台無しになったときに「せっかく来たんだから、雨宿りついでにこのカフェでのんびりしよう」と気持ちを切り替えられる人と、「最悪!なんで俺だけ…」と不機嫌になる人。
どちらが豊かな時間を過ごせるかは、明らかですよね。

これは仕事でも恋愛でも一緒です。予定変更やトラブルに柔軟に対応できる人は、周囲からの信頼も厚くなります。つまり、「想定外を楽しめる」こと自体が、ひとつの才能なんです。


7-2. ゴールよりも「どう歩いたか」が人生をつくる

人はつい、結果や肩書きに目を向けがちです。

「大企業に入れたか」「起業して成功したか」「有名になれたか」。
でも、それがすべてじゃない。むしろ人生の本質は、「そのゴールにどうたどり着いたか」にあるんです。

たとえば、同じく起業して成功した人でも——
ひとりはたくさんの人を蹴落としてのし上がった人。もうひとりは、仲間と協力して、何度も失敗しながら立ち上がった人。
同じ“成功”という結果でも、そこに至るプロセスはまったく違います。そして、周囲の信頼や本人の満足度も、まったく違ってくる。

人生はマラソンのようなもの。
途中で水を飲んだり、誰かと励まし合ったり、景色を楽しんだりする中で、その人の人生が“味わい深いもの”になっていくんです。


7-3. 自分だけが遅れている気がしたときこそ、この言葉を

SNSで周りのキラキラした人生を目にすると、「なんで自分だけうまくいってないんだろう」と落ち込むこともありますよね。

でも、他人と比べて自分の人生を焦る必要なんて、本当はどこにもない。
みんな、見えてないところで迷ったり悩んだり、回り道しているんです。

だからこそ、「回り道が近道なことがある。それが人生だ」という言葉が心に沁みる。
うまくいかないとき、焦ったとき、自分を責めてしまいそうなとき、この言葉を心の中でそっとつぶやいてみてください。

「今は遠回りに見えるかもしれないけど、これがきっと、自分にとっての近道になる」
そう思えるだけで、心に少し余裕が生まれます。


7-4. 受け入れることで見えてくる“偶然の贈り物”

計画どおりじゃなかったからこそ出会えた人、立ち寄れた場所、気づけた価値観——
そういった偶然の“寄り道”が、のちの人生で宝物になることがあります。

たとえば、就活で第一志望に落ちて泣いていた自分。でも、偶然拾ってくれた会社で、一生の親友に出会ったり、生涯のパートナーと出会ったり。
当時は「なんでこんなことに…」と思っていたけど、時間がたった今では「むしろこっちでよかった」と言えるようになっている。

人生のすべては、あとから意味づけできる。
“それが人生だ”という言葉は、偶然を楽しむ知恵でもあるのです。


7-5. “余白”のある生き方が、人生に味を加える

ビッシリ予定が詰まっていて、毎日がタスクの消化だけになっている人って、なんだか人生を“こなして”いる感じになりますよね。
一方で、スケジュールにゆとりがある人は、予定変更や気分転換も楽しめる。新しいことにもチャレンジしやすいし、人との縁にも敏感になれる。

この“余白”こそ、人生に深みや彩りを加える要素です。

遠回りって、まさに人生の“余白”。
そこにこそ、偶然の出会い、予期せぬ学び、心が動く瞬間が潜んでいる。

そしてそんな瞬間が、あなたの人生を“ただの時間”ではなく、“意味ある物語”に変えていくんです。


だから、焦らなくていい。
回り道してもいい。
むしろ、その方が人生は豊かになる。

「それが人生だ」って笑って言える自分でいよう。

話す書く考える工房

コーチングとNLPを中心に少しでも皆さまに役立つ情報をお伝えしていこうと思います。がんばって更新していきいますのでよろしくお願いいたします!

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