ミラーリングとは身振り手振りや姿勢など身体の動きを相手と合わすことを言います。
ミラーリングとは
人は、自分と共通点がある人に親近感を覚えます。
同じ地方の出身であったり、同じ学校出身であったりすると相手に対して親近感が湧いたりしますよね。
この相手の共通点を意図的に作ろうとするのがミラーリングというスキルです。
ミラーリングとは、相手のしぐさを真似ることです。相手のしぐさをまるで鏡に映ったように真似をしていきます。
相手が顔の一部を触ったら自分も顔の一部を触る。相手が腕を組んだら自分も腕を組む。相手がテーブルにある飲み物を飲もうとしたら自分も飲もうとするなどします。
NLPやコーチングを学んでいく際にはペーシングの前段階として練習することが多いです。
ミラーリングの目的
相手とのラポールを築くこと
ミラーリングする目的は、相手とのラポールを築くことです。人は自分に近いものに親近感が沸くので、相手と行動や仕草を意図的に真似(ミラーリング)することでラポールを築きます。
ペーシングやバックトラックと一緒にラポールを築くために使われます。
相手の感情を感じること
ミラーリングは、相手の身振り手振りや呼吸までも合わせていくことで、相手の感情の変化や内面の変化を敏感に感じることができるようになります。
相手のことを尊重すること
ミラーリングの目的は、相手のことを尊重するために相手をよく知ることです。ミラーリングは相手のモノマネをするスキルだと勘違いされることが多いですが、相手のことを「理解しようとする気持ち」がとても大切なスキルです。
相手が人生の中で身に着けてきた呼吸方法や身振り手振りは、その人がある状況を最適に対応するために無意識にしていることです。コーチングやNLPでは相手の無意識レベルを理解いし、尊重することが重要だという考え方をします。この意味においてミラーリングはコーチング&NLPで中核のスキルとなるのです。
ミラーリングのポイント
真似することだけに集中しない
ミラーリングすることに慣れてない段階では、相手の動作を真似することに過度に注意がいってしまい、相手の話が聞けなかったり、キャリブレーションが充分にできなくなることがあります。
相手の話を聞くこと、相手を観察することと同時にできるように繰り返し訓練していきましょう。
自然体を心がける
ミラーリングは相手とのラポールを築くために行うものなので、相手に不快感を与えないようにミラーリングしていることを気づかれないことがとても重要です。
ミラーリングしていることを相手に気づかれないように自然に行うには、真似をしたとしても不自然さがないことからミラーリングすることが必要です。
「同じ料理を注文する」「同じタイミングで飲み物を飲む」「相手の姿勢の一部を真似する」などからミラーリングするとよいでしょう。
とにかくミラーリングしてみること
ミラーリングできるものはたくさんありますが、とにかくミラーリングしてみないことにはスキルが上達しません。他のコーチングスキルと同様に繰り返し使う中で徐々に上達していくスキルとなります。
はじめのうちはぎこちなくなることもあるかもしれませんが、繰り返し使っている中でより自然にミラーニングができるようになっていくのです。
ミラーリングの方法
ミラーリングの方法は大きく分けて、「身振りや手ぶりを真似する方法」と「呼吸やリズムを真似する方法」があります。真似すると表現していますが合わせると思ったほうがよいかもしれません。さらに「感情のミラーリング」までできればミラーリングの上級者になれるでしょう。
身振りや手振りのミラーリング
頭と顔
頭の向きなどをミラーリングします。相手の頭がまっすぐなのか、どちらかに傾いているかなどを相手に合わせてます。
また顔の表情などを合わせます。目の開き具合や口角の開き具合などを合わます。上級者は相手のまばたきの仕方をミラーニングしたりもします。
上半身
相手の上半身の姿勢や左右の傾きなどを合わせます。手を握っている、腕を組んでいるなど状態のミラーニングの他に相手のジェスチャーもミラーニングの対象となります。
下半身
足を開いているのか閉じているのか、足を組んでいるのかなどをミラーリングします。下半身のミラーリングは、相手か目上の方である場合に不自然になることが多いので注意して使いましょう。
呼吸やリズムのミラーリング
呼吸の大きさやリズムを相手に合わせていきます。普段生活している中で、話をしている相手の呼吸まで意識している人は少ないかもしれません。
よく観察すると人はそれぞれ固有のリズムや特徴を持った呼吸をしています。
ずっと観察を続けていると、相手のお腹や胸や肩をみると相手の呼吸のリズムやどれくらいの深さで呼吸しているかが段々わかってきます。
相手の呼吸のリズムや深さがわかってきたら、できるだけ自然に自分の呼吸のリズムや深さを相手に合わせていきます。
感情のミラーリング
相手が悲しんでいたら、悲しんでいる様子をみせる。相手が喜んでいたら、喜んでいる様子をみせる。のように相手の感情をミラーリングする方法です。
人は自分の感情を共有している人に対して「話しやすい」という感覚を持ちます。逆に共有してくれない人に対しては「話しにくい」という感覚を持ちます。
相手の感情をよく観察して感情のミラーリングをできるようになりましょう。